映画「青春18×2 君へと続く道」Netflix配信記念:映画から見える台湾

台湾エンタメ
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スラムダンク

ジミーの部屋には『スラムダンク』の漫画やポスターがいっぱいです。台湾における『スラムダンク』のブームは、特定の世代や時期に大きな影響を与えた社会現象です。このブームを理解するためには、まずその世代、時期、そして社会背景について説明する必要があります。

世代と時期

『スラムダンク』は、1990年代に連載された井上雄彦によるバスケットボールをテーマにした漫画です。台湾では、1990年代中盤から後半にかけて、『スラムダンク』がテレビアニメとして放映され、若者たちの間で爆発的な人気を博しました。この時期に中学生や高校生だった世代、つまりジミーのような、現在の35から40代の人々が特に影響を受けています。

社会背景と影響

当時の台湾は、1987年に戒厳令が解除された後、民主化と経済発展が進み、文化的な開放が急速に進んでいました。その中で、日本の漫画やアニメが次々と台湾に紹介され、『スラムダンク』もその一つとして多くの若者の心を掴みました。

台湾においてバスケットボールは、学校の体育の授業で人気のあるスポーツの一つでしたが、『スラムダンク』の影響でさらにブームが加速しました。漫画のキャラクターやストーリーが台湾の若者たちに共感を呼び、バスケットボールへの興味や熱意が高まりました。このブームは単なるスポーツ人気にとどまらず、友情、努力、成長といったテーマが若者たちの心に深く響き、彼らの価値観にも影響を与えました。

さらに、台湾では『スラムダンク』の影響でバスケットボールが地域社会全体に広がり、学校だけでなく、街中の公園や体育館でもバスケットボールを楽しむ若者たちが増加しました。この現象は、スポーツ文化の定着にも寄与し、台湾におけるバスケットボール人気の礎を築いたと言えるでしょう。

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アミからの絵葉書

ジミーはアミからの絵ハガキを見つけます。そこには只見線の列車から見える一面の雪景色が描かれていました。ハガキからの香りが遠い記憶を呼び覚まします。

台湾人の雪へのあこがれ

台湾の人々が雪に対して強いあこがれを抱く理由は、主に地理的・気候的な要因に由来します。台湾は亜熱帯に位置しており、冬の気温が比較的温暖であるため、平地ではほとんど雪が降りません。雪が降るのは台湾の一部の高山地帯に限られ、その機会も非常に限られています。このため、雪は台湾の多くの人々にとって非日常的で珍しいものであり、ロマンチックなイメージが強く結びついています。

雪へのあこがれは、以下のような形で表れます:

  1. 旅行の人気目的地: 台湾では雪を見ることができる場所として、例えば合歓山や玉山などの高山地帯が人気の観光スポットとなっています。冬になると、雪を見に行くために多くの人々がこれらの場所を訪れます。
  2. 文化的な表現: 台湾のメディアやエンターテインメントにおいて、雪はしばしばロマンチックで幻想的な風景として描かれます。冬のシーズンには、雪をテーマにした広告や商品も多く見られます。
  3. スキーリゾート: 台湾にはスキーリゾートもありますが、国内外のスキー場への旅行も非常に人気があります。特に日本や韓国などの近隣諸国へのスキー旅行は、台湾人にとって魅力的な冬のレジャーとして定着しています。

このように、台湾の人々にとって雪は憧れの対象であり、冬の楽しみを象徴するものとなっています。このあこがれは、日常生活で経験できない特別な体験としての「雪」に対する強い関心や期待感から生まれています。

一方で、豪雪災害などの負の面については想像力が追い付かないため、雪の恐ろしさは無視して、そのロマンティックな風景だけが切り取られてイメージされています。

廟ですれ違っていた二人

ジミーはカラオケ屋でバイトしていますが、いつも朝寝坊しています。遅刻確実の時間に起きますが、母親は途中の廟で必ず合格祈願をするように言います。その廟では、バックパッカーの旅をしていたアミが、ポエ(擲筊)と呼ばれる願掛けを何度も試していました。二人は隣り合いますが、顔を合わせることはありません。

台湾の宗教心

台湾の宗教事情において、道教は非常に重要な役割を果たしています。台湾では宗教的に多様な社会が形成されており、特に道教、仏教、儒教などが広く信仰されています。道教の信者数は全人口のかなりの割合を占めており、2020年の統計によれば、台湾の宗教人口のうち、道教信者は約33%を占めています。ただし、これは自己申告に基づくデータであり、多くの台湾人は複数の宗教を併せて信仰していることも多いため、信仰の実際の範囲はさらに広い可能性があります。

道教の信仰の深さ

台湾における道教の信仰は、日常生活や文化に深く根ざしており、寺院への参拝、伝統的な祭りや儀式の開催などを通じて表れています。道教の教えは、台湾の人々にとって重要な生活の指針や精神的な支えとなっており、特に家庭や地域社会での信仰が強いです。

願掛けの習慣

道教信仰の一環として、台湾の人々は合格祈願や縁結びなど、特定の願望を叶えるために寺院で願掛けを行うことが一般的です。例えば、受験シーズンには学問の神様として知られる文昌帝君を祀る寺院に多くの受験生やその家族が訪れ、合格祈願を行います。また、縁結びの神様として有名な月老(老子)が祀られている寺院では、恋愛や結婚に関する願掛けをする人々が後を絶ちません。

道教寺院では、香を焚いたり、お供え物をしたりして神様に願いを伝え、その後、おみくじを引いたり、籤を使って神意を確認することも行われます。これらの習慣は、台湾人の宗教的なアイデンティティの一部であり、社会生活に密接に結びついています。

ポエ

ポエ(擲筊)は、神意を確認するために用いられる伝統的な方法で、通常は二つの半月型の木片や竹片を用います。

願掛けを行う際に、まず自分の願いを心の中で神様に伝えた後、これらのポエを地面に投げて、その組み合わせによって神様の意思を読み取ります。ポエが表と裏で地面に落ちた場合は、神様がその願いを受け入れたと解釈されます。逆に、ポエが両方とも同じ面を向いて落ちた場合は、願いがまだ叶わない、もしくは神様が同意していないとされます。

このポエを使った願掛けの儀式は、台湾の道教信仰者の間で非常に一般的で、日常的な決断や重要な人生の節目において、神の意志を確認するためにしばしば行われます。ポエは、台湾の宗教文化に深く根ざした信仰実践の一部として、人々の生活に密接に関わっています。

アミはジミーのいるカラオケ店で働くことに

アミは財布を無くしてしまい、仕事を探して寂れたカラオケ店へ行きます。そこは偶然にも日本人が店長をしている店で、アミは即採用され、ジミーが教育係になります。

台湾人もカラオケは大好き

カラオケは日本発祥の娯楽であり、1980年代に台湾に導入されました。台湾のカラオケ文化が広がり始めたのは、日本のカラオケボックスの影響を受けたことが大きな要因です。台湾で初めてのカラオケボックスは1980年代後半から1990年代初頭に登場し、すぐに若者を中心に人気を集めました。

カラオケ人気の要因

  1. 日本文化の影響: 台湾は日本の文化やエンターテインメントに強い影響を受けており、カラオケもその一環として受け入れられました。日本のポップカルチャーや音楽が台湾で広く親しまれているため、日本と同じようにカラオケも自然に普及しました。
  2. 娯楽の多様性: カラオケは一人でもグループでも楽しめる娯楽であり、友人や家族との交流の場として人気を集めました。特に、若者にとっては学校や職場のストレスを解消する手段としても機能しました。
  3. 経済成長と都市化: 1980年代から1990年代にかけて台湾の経済が急成長し、都市部での娯楽産業が発展しました。この時期にカラオケボックスが急増し、手頃な価格で楽しめるエンターテイメントとして市民に浸透していきました。
  4. 技術の進化: 1990年代から2000年代にかけて、カラオケ機器の技術が進化し、音質や映像の質が向上したことで、よりリアルな体験が提供されるようになりました。また、歌詞が表示されるモニターや多言語対応など、利用者のニーズに合わせた進化が人気を後押ししました。
  5. コミュニティ形成: カラオケは単なる娯楽ではなく、社会的な交流の場ともなっています。企業の社員旅行や家族の集まり、友人とのパーティーなどでカラオケを利用することが一般的であり、コミュニティ内での絆を深める手段としても機能しています。

台湾におけるカラオケの人気は、日本文化の影響を受けた導入と、経済成長や技術の進化が相まって発展してきました。カラオケは、都市生活における重要な娯楽として定着し、現在も幅広い世代に愛されています。

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