台北駅の淡水信義線地下3階ホールが2025年末までに大規模改築されます。新しい指標システムや商業空間を整備し、スマート運営を導入。複雑な動線を改善し、利用者に快適で便利な体験を提供します。
改築の目的と背景
台北駅は台湾国内で最も多くの利用者が行き交う交通拠点であり、台北捷運(地下鉄)の重要なハブです。しかし、1997年の開業から年々増加する乗客数に伴い、駅構内の動線の複雑さやサービスの陳腐化が指摘されてきました。そのため、台北捷運は台灣設計研究院との協力で「台北捷運再設計」計画を進行し、駅の利用体験を向上させるための大規模な改修に着手しています。
工事の概要
今回の改築対象は、淡水信義線の台北駅地下3階ホールです。11月1日から第一段階の工事が開始され、一部の通路と改札が閉鎖されます。これに伴い、板南線への通行は制限されますが、台鉄・高鉄(新幹線)の交差エリアや他の改札を利用することで駅の利用は可能です。施工は4つの段階に分けて行われ、2025年末の完工を目指しています。
改修計画の具体的内容
- 直感的でわかりやすい指標システムの構築
複雑な動線を解消するため、視覚的にわかりやすい案内表示を新たに設置します。これにより、観光客や初めて利用する人でも迷わず移動できるようになります。 - 空間効率の改善とサービス機能の拡張
中山駅で採用された「サービスボックス」コンセプトを踏襲し、案内所や商業施設を通路の両側に配置し、流れるような動線を確保します。また、7平方メートルだった案内所を拡張し、開放的で認識しやすい設計に変更します。 - スマートオペレーション導入
改築費用は1億5000万台湾ドルで、電力、給水、防災設備の最新化など、スマート化された運営システムを導入します。これにより、快適で安全な環境を提供することが目的です。
他駅との連携と今後の展望
このプロジェクトは、中山駅の成功を参考にしています。同駅では、明るく洗練されたデザインで冷たい印象の駅構内を一新し、利用者からも好評を得ました。台北駅の改築も同様に、単なる設備の更新にとどまらず、利用者にとってより魅力的な空間を提供することを目指しています。改築後の台北駅は、乗客の満足度を向上させ、他の駅の改修プロジェクトにも影響を与えるでしょう。
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