台湾北部を代表する歴史スポットといえば、淡水の紅毛城です。
初めて訪れる人は「赤レンガの古い建物」という印象を持つかもしれません。しかし紅毛城は単なる古跡ではありません。
スペイン人、オランダ人、清朝、英国、日本統治時代、そして現代台湾へ――。
400年近くにわたり台湾北部の歴史を見守ってきた要塞であり、台湾の国際交流史そのものを物語る場所です。
淡水河河口を見下ろす高台に建つ紅毛城は、台湾史を学びながら絶景も楽しめる人気観光地。歴史好きはもちろん、台湾旅行で少し違った体験をしたい日本人旅行者にもおすすめです。
この記事では紅毛城の歴史や見どころ、アクセス方法まで詳しく紹介します。
紅毛城とは?

紅毛城(ホンマオチェン)は、新北市淡水区にある台湾屈指の歴史遺跡です。
現在の建物は主にオランダ統治時代に再建されたものが基礎となっています。
台湾ではオランダ人を「紅毛(赤毛の人)」と呼んでいたことから、「紅毛城」という名前が定着しました。
実際には、
- スペイン統治時代
- オランダ統治時代
- 清朝統治時代
- 英国領事館時代
- 日本統治時代
という複数の時代を経て現在に至っています。
台湾の歴史スポットの中でも、これほど多くの時代を体験できる場所は多くありません。
紅毛城の歴史をわかりやすく解説
スペイン人が築いた要塞が始まり
紅毛城の歴史は17世紀初頭に始まります。
1628年頃、スペイン人は北台湾の支配拠点として淡水に要塞を建設しました。
当時のスペインはフィリピンを拠点に東アジア進出を進めており、淡水は重要な戦略拠点でした。
しかし、この最初の要塞は現存していません。
オランダ人による再建
1642年、オランダがスペイン勢力を追放します。
その後、オランダ人は新たな要塞を建設しました。
これが現在の紅毛城の起源です。
当時の淡水は貿易港としても重要な場所であり、要塞は軍事施設であると同時に港を監視する役割も担っていました。
現在残る赤レンガ造りの建物や城壁には、このオランダ時代の特徴を見ることができます。
清朝時代の淡水開港

1683年に台湾が清朝の統治下に入ると、紅毛城も清朝政府の管理下となります。
その後1858年の天津条約により淡水が開港。
台湾北部最大級の国際港として発展していきます。
当時の淡水には、
- 茶葉
- 樟脳
- 砂糖
などの輸出産業が集まり、多くの外国商人が訪れました。
現在の淡水老街や海関碼頭が発展したのもこの時代です。
英国領事館として利用された時代
開港後の1867年、英国は紅毛城を領事館として利用するようになります。
現在見学できる領事官邸はこの時代に建設されたものです。
白いアーチが美しい洋館は、台湾に残る西洋建築の代表例の一つ。
当時の英国外交官が実際に生活していた空間を見学できます。
日本統治時代を経て現在へ
1895年から台湾は日本統治時代に入ります。
紅毛城は引き続き英国領事館として利用されました。
第二次世界大戦後に台湾へ返還され、現在は国定古跡として保存されています。
長い歴史の中で戦争や政治の変化を乗り越え、今日まで残された貴重な文化財です。
なぜ紅毛城は歴史的に重要なのか?
台湾には多くの古跡があります。
その中でも紅毛城が特別な理由は、台湾と世界を結ぶ歴史を象徴しているからです。
ここには、
- ヨーロッパ列強のアジア進出
- 台湾開港の歴史
- 国際貿易の発展
- 外交の歴史
が凝縮されています。
台湾史だけでなく、東アジア全体の歴史を理解するうえでも重要な場所といえるでしょう。
紅毛城の見どころ① オランダ時代の要塞
紅毛城最大の見どころは本体となる要塞部分です。
厚いレンガ造りの壁や砲台跡を見ると、ここが軍事施設だったことが分かります。
ヨーロッパの城塞建築の影響を受けており、日本の城郭とは全く異なる雰囲気があります。
台湾旅行で「海外の古城のような景色」を見られる貴重な場所です。
紅毛城の見どころ② 英国領事官邸

多くの観光客が写真を撮るのが領事官邸です。
白い外壁とアーチが美しく、まるで南ヨーロッパの別荘のよう。
館内には当時の家具や展示があり、19世紀後半の外国人外交官の暮らしを知ることができます。
歴史に詳しくなくても十分楽しめるスポットです。
紅毛城の見どころ③ 淡水河を望む絶景
紅毛城は高台に位置しています。
敷地内からは淡水河河口と観音山を一望できます。
特に晴れた日は、
- 淡水河
- 淡江大橋
- 観音山
を同時に眺めることができます。
この景色を見れば、なぜ昔の人々がこの場所に要塞を築いたのか理解できるでしょう。
軍事的にも港の監視にも最適な立地だったことが分かります。

紅毛城の見どころ④ 夕景スポットとしても人気
淡水は台湾有数の夕日スポットとして有名です。
紅毛城周辺も例外ではありません。
夕方になると柔らかな光が赤レンガを照らし、昼間とは違う雰囲気になります。
歴史散策と絶景観賞を同時に楽しめるのも紅毛城の魅力です。
日本人旅行者におすすめしたい理由
台湾史が分かりやすい
台湾史に詳しくなくても、
- スペイン
- オランダ
- 英国
- 清朝
- 日本
という流れが見えるため理解しやすいです。
半日観光にちょうど良い
紅毛城周辺には徒歩圏内で、
- 小白宮
- 真理大学
- 牛津学堂
- 淡水礼拝堂
があります。
歴史スポット巡りとの相性が抜群です。
写真映えする
赤レンガの要塞。
白い洋館。
青い空。
淡水河の景色。
SNS映えする写真が撮れる場所が非常に多いのも魅力です。
紅毛城と一緒に巡りたい歴史スポット
小白宮

税関長官官邸として使われた洋館。
淡水を代表するコロニアル建築です。
真理大学

赤レンガ建築が美しい歴史ある大学。
牛津学堂も見学できます。
淡水礼拝堂

馬偕博士ゆかりの教会。
台湾北部のキリスト教史を知ることができます。
海関碼頭園区

開港時代の貿易港を感じられるエリア。
淡水の発展を理解するうえで欠かせません。
アクセス情報
施設名
紅毛城
住所
新北市淡水區中正路28巷1號
営業時間
9:30~17:00
(休日・特別開館日は変更の場合あり)
アクセス
MRT淡水駅から徒歩約25分
または
- 紅26
- 836
- 857
などのバス利用で約10分
まとめ|紅毛城は台湾の歴史を最も体感できる要塞
紅毛城は単なる古い建物ではありません。
スペイン、オランダ、英国、清朝、日本統治時代という台湾の激動の歴史を今に伝える貴重な文化遺産です。
さらに、
- 要塞建築
- 西洋洋館
- 台湾開港史
- 絶景スポット
という複数の魅力を兼ね備えています。
淡水観光で「老街だけではもったいない」と感じる人には、ぜひ訪れてほしい場所です。
歴史好きならもちろん、台湾旅行で少し知的な街歩きを楽しみたい方にも、紅毛城はきっと印象に残るスポットになるでしょう。



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