2025年7月、ニュー台湾ドル（TWD）／日本円（JPY）の為替レートがついに「1TWD＝5円」を突破しました。これはコロナ禍以降の上昇トレンドが続いた結果であり、多くの旅行者や海外在住者にとって注目すべき大きな節目です。
本記事では、現在の為替動向をチャートと共に読み解きつつ、今後の台湾ドル円の見通しと、夏に向けた注目の両替タイミングについて詳しく解説いたします。
1. 台湾ドル円が5円台に突入：歴史的節目の意味
7月中旬現在、TWD/JPYは約5.05円で推移しており、年初の約4.60円水準から急上昇しています。これは過去5年間で見ても最高水準の一つであり、テクニカル的にも大きなレジスタンスラインを突破した形となっています。
TradingViewのチャートを見れば、2019年以降、台湾ドル円は中長期的に上昇トレンドを描いており、特に2023年からは移動平均線や一目均衡表の雲を上抜けて急激な上昇が続いています。2025年6月末から7月にかけて、これまでの高値圏である5.00円ラインを突破したことで、さらなる上昇圧力がかかっている状況です。
2. 円安の背景にある4つの主要因
台湾ドル円の上昇の背景には、「台湾ドル高」だけでなく「日本円安」が大きく影響しています。ここでは円安を引き起こしている主要な4つの要因を整理します。
（1）日銀の緩和政策継続
2025年時点でも日銀は超低金利政策を継続中であり、米国や台湾などが利上げや引き締めを行っている中、日本だけが金利差の拡大によって円売り圧力を受けています。
（2）貿易赤字とインフレの加速
エネルギー価格の高騰や輸入依存体制の影響で、日本の貿易赤字が拡大しています。これが円の実需売りを加速させ、為替市場でも円安材料となっています。
（3）台湾経済の堅調な推移
台湾では、TSMCなどの半導体企業が業績を伸ばし続けており、海外からの資本流入が継続しています。これにより台湾ドルは相対的に強い通貨として評価されています。
（4）地政学リスクの低下
2024年まで注視されていた台湾海峡周辺の地政学リスクが一定程度緩和され、投資家の台湾通貨への安心感が広がっていることも、台湾ドル買いにつながっています。
3. テクニカル分析から見る今後の見通し
TradingViewのチャートでは、5.05円付近にある赤線が「中期レジスタンスライン」であり、現時点ではこの水準を試す展開が続いています。
上昇ターゲット：5.20円水準
一度5.10円を明確に突破すれば、次のターゲットは過去チャートからも分かる通り、5.20円付近となります。ここまで上昇すれば、さらに円安が進行する可能性も出てきます。
サポートライン：4.87円／4.72円
一方、もし調整が入った場合には、過去の支持線として機能してきた4.87円や4.72円あたりがサポートとなる可能性があります。いずれにせよ、現在は強い上昇トレンドの中にあり、短期的な下げは買い場となるかもしれません。
4. 両替のベストタイミングはいつ？7月・8月の注目日
円安が進む中で、旅行者や長期滞在者にとって「両替のタイミング」は非常に重要です。ここでは、2025年7月～8月に注目すべき両替日をいくつかピックアップします。
① 給与・賞与支給後の円需要増（7月25日〜7月末）
月末のタイミングでは、国内企業による円転（円を買う動き）が増える傾向があります。そのため、円がやや強くなり、TWD/JPYが一時的に下がる可能性があります。この時期に台湾ドルを両替すると、若干有利になることが予想されます。
② 米国雇用統計発表後（8月2日頃）
米国の経済指標は為替に大きく影響します。8月初頭に予定されている米雇用統計の発表後は、市場が大きく動くタイミングとなりやすく、円高・円安どちらにも振れやすいため、事前に両替しておくのが無難です。
③ 旧盆時期の需要増（8月12日〜16日）
日本の帰省シーズンであるお盆期間中は、海外旅行の需要が高まり外貨の取引量が増えます。この影響で為替が変動しやすくなるため、直前よりも1週間ほど前（8月上旬）の両替がおすすめです。
5. 両替の方法とおすすめサービス
為替レートが大きく動いている今、なるべく手数料を抑えて両替したいところです。以下のブログ記事を参考に、空港や銀行よりもお得に両替できることがあります。
6. 今後の注意点とまとめ
今後もTWD/JPYの上昇が続く可能性は十分にありますが、為替は常に変動リスクがあるため、両替のタイミングは「少しでも有利な時期を狙って分散して行う」ことが賢明です。
特に旅行や出張、留学などでまとまった額の台湾ドルが必要な方は、7月下旬や8月上旬のように、一時的に円が強くなりやすい時期を狙って、複数回に分けて両替するのが安全策です。
まとめ
- 台湾ドル円はついに5円台に突入し、円安トレンドが継続中
- 背景には日本の金融政策、台湾経済の堅調さなどがある
- 7月〜8月は円高になりやすい時期を狙って両替するのが得策
- 5.20円を目指す可能性がある一方で、急な調整にも注意が必要
ご自身の旅程や予算に合わせ、最適なタイミングで賢く台湾ドルを準備しましょう。
コメント