なぜ台湾にローソンがないのか

台湾コラム
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台湾にはセブン-イレブン、ファミリーマートといった日本発のコンビニエンスストアが多数存在しますが、なぜかローソンは見かけません。台湾人の中には、日本旅行でローソンを利用した経験があり、その知名度は高いにもかかわらず、ローソンが台湾に進出しないのはなぜでしょうか。その理由を考察してみたいと思います。

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市場は飽和状態

まず、台湾におけるコンビニエンスストア市場の現状を見てみましょう。台湾は人口密度が高く、都市部では至る所にコンビニがあります。セブン-イレブンとファミリーマートはもちろん、台湾独自のチェーンであるOK(全家便利商店)やHi-Life(萊爾富)も広く展開しています。これらの4大コンビニが市場をほぼ独占している状況です。

台湾のコンビニ市場はすでに飽和状態にあります。2019年のデータによると、台湾には約10,000店舗のコンビニが存在し、その密度は世界でもトップクラスです。これにより、新規参入する企業にとっては非常に厳しい競争環境が待ち受けていると言えます。特に、セブン-イレブンとファミリーマートはブランド力と市場シェアが非常に強固で、新規参入企業がシェアを奪うのは至難の業です。

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台湾での差別化展開の難しさ

さらに、台湾の消費者はコンビニに対して高い期待を持っています。24時間営業はもちろん、ATM、宅配便の受け取り、チケット販売、簡単な食事提供など、多様なサービスが求められます。既存の4大コンビニはこれらのニーズにしっかり応えており、新規参入するローソンが差別化を図るのは容易ではありません。

ローソンは日本国内では高品質な商品と独自のサービスで人気を博していますが、台湾ではすでに同様のサービスが他のコンビニによって提供されています。ローソンが新たに参入しても、これらの既存の人気商品に対抗するのは難しいでしょう。

また、台湾のコンビニ市場には独自の文化や消費者の嗜好が存在します。例えば、台湾では地元の食材を取り入れた商品が人気です。ローソンがこれに対応するためには、現地のニーズを深く理解し、それに基づいた商品開発が必要です。しかし、特に日本での商品展開に特化しているローソンが、台湾向けに新たな商品展開をするには、時間とコストがかかるため、参入へのハードルが高いと言えます。

他にあり得る理由

さらに、ローソンの台湾未進出の理由として、少しユーモラスな話もあります。ローソンの「ローソン」という名前の発音が、台湾で「肉鬆(ロウソン)」と非常に似ているからです。肉鬆とは、台湾で人気のある乾燥した肉のフレークで、おにぎりやパンに使われることが多いです。このため、「ローソン」と聞いて「肉鬆」を連想する人もいるかもしれません。もちろん、これは主にジョークの範疇ですが、ブランド名の発音が異文化でどのように受け取られるかは、企業が国際展開を考える際には無視できない要素です。

結論

結論として、ローソンが台湾に進出しない主な理由は、市場の飽和状態と既存の強力な競争相手の存在にあります。台湾の消費者は多様なサービスと高品質な商品を求めており、既存のコンビニチェーンがその期待に応えています。新規参入するローソンにとっては、これらのハードルを越えるのは簡単ではありません。また、文化的な違いやブランド名の問題も、少なからず影響しているかもしれません。

とはいえ、ローソンが将来的に台湾市場に挑戦する可能性が全くないわけではありません。市場の状況や消費者のニーズが変わる中で、新たなビジネスチャンスが生まれることも考えられます。台湾の消費者が求める新しい価値を提供できるなら、ローソンの参入も実現するかもしれません。その日が来るのを楽しみに待ちたいと思います。

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